腸内細菌叢のこと

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今回は、腸内細菌叢のおはなしです。「さいきんそう」と読みます。

最近では、「腸内フローラ」とも呼ばれ、NHKの番組で特集したことから広く知られるようになってきました。

NHKスペシャル(2015年2月22日)『腸内フローラ 解明!驚異の細菌パワー

腸内細菌叢とは

私たち人間のカラダには、数にして100兆、重さにすると1~2kgほどの細菌がいるそうです。

細菌はカラダの外側・内側両方の表面に存在していますが、最も多く9割程度が腸に存在しています。

腸の中でも、小腸の回腸から大腸の表面に細菌が密集していて、植物が群生している様子に似ていることから、叢(くさむら)という言葉を使い、腸内細菌叢と呼ばれています。

腸内細菌の種類

腸内細菌叢は、大きく3つに分けられる腸内細菌で形成されています。有用菌、有害菌、日和見菌の3つです。

有用菌

善玉菌とも呼ばれます。

腸内で消化や吸収を助けたりする菌で、乳酸菌が最も知られています。

有害菌

悪玉菌とも呼ばれます。

有用菌の逆で、カラダに悪い影響を及ぼします。大腸菌(有毒株)、ブドウ球菌などが有名です。

日和見菌

ひよりみ菌と読みます。

カラダが健康なときには特に影響がないのですが、疲労や病気でカラダが弱ったりしたときに腸内で悪い影響を及ぼす菌です。大腸菌(無毒株)、連鎖球菌などが有名です。

腸内細菌叢のバランス

腸内細菌叢は、健康な人では、有用菌(善玉菌)が2割、有害菌(悪玉菌)が1割、日和見菌が7割というバランスになっています。日和見菌は、有用菌と有害菌の多い方の働きを活発化しますので、有用菌が多い状態を保つことがよいバランスであると言えます。

何らかの要因により腸内細菌叢のバランスが変化し、有害菌の割合が多い状態になると、体の不調を引き起こします。

腸内細菌叢の変化

腸内細菌叢は、様々な要因で変化し、有用菌(善玉菌)が増えたり、有害菌(悪玉菌)が増えたりしています。

主な要因は、以下のとおりです。

経口物

腸内細菌叢に最も影響を与えるのは、経口物、つまり、食事や薬です。

食事で言えば、食事の際の食物繊維や肉類の量は結構影響があります。

また、「腸まで届く」というキャッチフレーズが、最近よくヨーグルトに使われているように、乳酸菌やビフィズス菌の摂取は影響が大きいです。

納豆に含まれる納豆菌やオリゴ糖のように、乳酸菌の働きを活発にするものもあります。

薬で言うと、抗菌性物質を含むものは、当然、大きな影響があります。逆に、腸内細菌叢のバランスを整える薬もあります。

病気

腸や腸以外の病気も腸内細菌叢に影響を及ぼします。

胃や肝臓の働きに異常があり、胃酸や胆汁などの腸に流れ込む分泌物に異常が出ると、腸内細菌叢も影響を受けます。

もちろん、腸自身の病気も影響します。例えば、腸の壁面の出血などで腸液の分泌が盛んになると、腸内細菌叢に影響があります。

ストレス

詳しくはまだ解明されていないようですが、各種のストレスの影響を受けて、腸内細菌叢の構成が変わることが報告されているようです。

加齢

年をとるにつれて有害菌(悪玉菌)の割合が増えると言われています。

胎児のときには、母親のお腹の中で無菌に保たれています。この時点では腸内細菌叢は形成されていません。

生まれてから、母乳を通じて母乳中の乳糖、ガラクトオリゴ糖を栄養源として、ビフィズス菌が増殖します。赤ちゃんの便は、ヨーグルトとよく似たにおいがするのはこのためです。

その後、大人の食事に近づくにつれて、離乳期以降、離乳食を食べ始めると、有用菌(善玉菌)2割、有害菌(悪玉菌)1割、日和見菌7割のバランスになっていきます。

そして、高齢になればなるほど、ビフィズス菌などの有用菌は減少し、若年ではあまり検出されないウエルシュ菌などの有害菌が検出されるようになります。

腸内細菌叢の影響はカラダ全体に

腸内細菌叢は、病原菌のバリアとなったり、ビタミンなどを作り出したりするといった有益な働きをします。一方で、有害な物質を作り出したり、余計な分泌を促したりする有害な働きをすることもあります。

また、腸内でのがんの促進・予防にも関与することが知られています。

腸内細菌叢は腸内にありますが、最近の研究では、腸内細菌叢のバランスは腸だけではなく、カラダ全体に影響を及ぼすことが分かってきました。

人間のカラダの中で、免疫に関係する機能の7割以上が腸とその周辺にあると言われているので、免疫全般に影響があるのは当たり前と言ってもいいでしょう。

そのほかにも、腸内細菌叢のバランスを変えることが、肥満や糖尿病などに効果があることも分かっています。

驚くべきなのは、腸内細菌叢のバランスを良くすることが、自閉症やうつ病などの精神疾患にも良い影響を及ぼすということも指摘されています。

腸内細菌叢についてのまとめ

このように、人間のカラダ全体に影響を及ぼす腸内細菌叢。

有益菌(善玉菌)が有害菌(悪玉菌)を上回っている状態を保つことが、私たちに健康な生活を与えてくれると言えそうです。

当サイトでは、腸内細菌叢の良いバランスを保つための情報もお届けしていきます。